組織について

  • これまで成果を出せていた手法が通用しなくなってきている気がします。

    社会の変化は、予測困難・複雑・曖昧・相互依存的(=VUCA)になっています。かつてのように「これが正解」という技術的課題に対する処方箋だけでは、解決できない状況が増えています。今の時代は、「誰も正解を持っていない」中で、一人ひとりが変化しながら適応する力=適応課題への対応力が、組織に求められています。

  • 組織に必要なことは何ですか?

    経営学者チェスター・バーナードによれば、組織は「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の三要素から成り立っています。目的があっても、人がやる気を失えば動かず、意欲があっても伝わらなければまとまりません。特に「コミュニケーション」は三要素をつなぐ根幹です。一人ひとりが納得感を持ち、貢献したくなる組織には、単なる「情報伝達以上のコミュニケーション」が必要です。

  • 人が育ち、成果も出る“良い組織”には何があるのですか?

    組織論の研究者ダニエル・キムは、「良い関係の質」が「思考の質」を高め、「行動の質」「結果の質」へとつながる“成功の循環”を提唱しました。成果を出すには、まず人と人との間の信頼や安心、率直なやりとり=関係の質を高める必要があります。成果にこだわり成果を求めることから始まると、「関係の質」が悪化する悪循環になり得ます。成果と関係の順番とバランスを意識した組織運営が大切です。

  • 「関係の質を高める」には、何から始めれば良いですか?

    関係性は仕組みやルールでは生まれません。必要なのは「対話」です。対話を通じて他者の言葉に耳を傾け、受け取り合うことで、関係性が少しずつ深まっていきます。それぞれのメンバーが「何を大切にしているか」「どんな思いを持っているか」を内省し、自分の言葉で語ることが出発点です。一人ひとりが「ただ業務をこなす存在」ではなく、「一緒に考える存在」として関わることが、関係性を育てます。

  • 関係性と成果のつながりを知りたいです。

    関係性をつくるには「対話」が重要ですが、「学習サイクルを支える対話」であることが「組織の成長」につながります。何かを学習し成長するには”実践⇒内省⇒抽象化⇒試行”のサイクルが必要です。単純な「実践」の繰り返しでは学習が進まず成長につながりません。実践には「どうだった?」から始まる対話で内省を促し、内省したことに対し「ようするに?」と抽象化を促す。抽象化されたことにトライするため「試行」案を一緒に考えるための対話を行い、実施にあたっては励ます対話を。組織運営に学習サイクルを支える対話を組み込んでいくことで、組織が成長し、成果へとつながります。

対話について

  • コミュニケーションと対話違いは何ですか?

    組織におけるコミュニケーションとは、一般的に業務上の指示や情報をやり取りすることを指します。対話とは、表面上の言葉の意味を受け取るだけでなく、その背後にある意図や背景を聴き合う行為です。何を伝えたかではなく、どんな思いや考え、そして感情があるのかを受け取り合うことで、より深い理解と信頼が生みだします。

  • どのようにすれば良い対話が成立するのですか?

    相手の言葉の裏にある意図や背景を聞こうとすることです。成果を求めれば「できたか?」を聞き、できていなければ「なぜ」と問うことが多いと思います。関係性を作る対話においては「どうだった?」とプロセスを問い、その答えに対してさらに「では、どうしようか?」と一緒に深めていく。答えがある前提ではなく、今ここにあるわからなさを互いに受入れ、共に考えていく姿勢が大切です。少し時間がかかりますが、この時間への投資こそが組織の関係性づくりに必要とされるものです。

  • 上司と部下で対話を実現するのは難しさを感じます。

    上司と部下の間には、評価や役割期待といった立場上の力学が働きます。専門用語では「多重関係」が発生します。こうした壁を越えるためには、お互いが立場を一時的に脇に置き、「一人の人間」として相手の意図に耳を傾ける必要がありますが、難しさがあるのは仕方のない側面があります。

  • 対話の価値は何ですか?

    対話を通じて、一人ひとりの思いや意図の深層を共有できるようになると、組織の中に見えない信頼、共感、安心感が育まれていきます。安心感があれば、誰かの気づきはそのまま組織へフィードバックされ、聞き入れられ、議論へとつながります。組織としての学習力が高まり、対応力に変化が生じ始めます。全てを経営者が決めなければならない状況から少しずつ開放されていきます。

サービスについて

  • なぜ小さな組織向けのサービスなのですか?

    大きな組織と違い、小さな組織では採用力が限られているため、今いる社員一人ひとりの力を引き出すことが、大切だと思います。また、社長と社員の距離が近い分、関係性の変化が直接組織全体に波及しやすく、新たな挑戦や成長のサイクルを、比較的早く生み出すことができます。その鍵となるのが「対話」であり、私たちは小さな組織にこそ「対話による変容」の力が必要だと考えています。

  • 全方位1on1について教えてください。

    全方位1on1とは、社長と社員という役職を超えて、一人ひとりの意図や背景を丁寧に聴き合うプロセスを支援する仕組みです。社長とは経営上の課題だけでなく、創業の想い、目指す未来を聞き、組織ビジョンの源を探ります。社員の皆さんとは、業務進捗だけはなく、キャリアや価値観なども掘り下げ、パーソナルビジョンを明確にすることに寄り添います。全方位かつ第三者の立場でフラットに対話を重ねるからこそ、組織と一人ひとりの重なりを見つけることができます。

  • どのような1on1を実施するのですか?

    私たちは「C&Cアプローチ(カウンセリング&コンサルティング)」を採用しています。業務に直結する具体的な課題(コンサルティング的支援)と、人生やキャリアレベルにおける自己認識・内省・感情(カウンセリング的支援)の両方を扱います。「一人ひとりは自ら解決する力を持つ存在である」ことを前提とするカウンセリング的関わりを大切にしています。

  • 一般的な組織開発コンサルティングとの違いは何ですか?

    コンサルティングの多くは「組織論的なフレームワーク」を用い、それを組織に適用する傾向があると思います。「人は変化には対応するが、変化させようとするものには抵抗する」。組織はそこで働く皆さんのものです。外部から何かをインストールすることはできず、その内側にあるものを適切に引き出し、重なりを見つけていけば、必ず良い関係性が作られ、組織はよりよい方向へと変容する。弊社はそういった変容を促進する「組織運営支援」として全方位1on1を提供しています。

  • 全体会議でのワークショップでは、どのようなことを行いますか?

    全方位1on1を通じて集まった様々な価値観や課題を踏まえ、組織ごとにカスタマイズした内容となります。全員と対話を重ねたからこそ、この問い、この答えには「きっとあの人が反応するだろうな」といった顔が思い浮かぶレベルで、会議のファシリテーションが行えます。組織の中にあった小さな想いや違和感が表に出て、オープンに議論される場となり、共通理解が深まります。

  • 経営者はどんな準備が必要ですか?

    特に必要なものはありません。我々の問いに委ね対話を楽しんでいただければと思います。もしひとつあるとすれば、「自分自身も変わるかもしれない」という点に対して、構えるのではなく、楽しみに思っていただけると嬉しいです。経営者自身が対話を通じて起きる気づきや問いに対して、正解を急がず、探求することに慣れると、社員との日々の関わりにも変化が現れます。少しずつですが「経営者の孤独」もきっと緩和されていきます。

  • 経営者にはビジョンが必要ですか?

    必要か不要かで言えば確かに必要だと思います。ですが、今ある必要があるか?と言われれば、今無くても大丈夫です。創業(継承)時の想い、そこに至る過程。日々の組織運営で感じる気持ち。経営者という責任ある立場で居続けるその根底にある想い。それらは日々の忙しさに埋もれてしまっているかもしれませんが、対話の中で一緒に探しましょう。そこに触れることができれば、未来が見えてきます。その未来の中に、ビジョンのヒントがあります。そこに社員の想いも重ねるお手伝いもできます。そしてビジョンを語ろうとすると少しの「怖さ」に出会うかもしれませんが、その怖さの正体も一緒に解き明かしていきましょう。

導入について

  • 社員が10名以上いる場合でも利用できますか?

    はい。可能です。社員数が多い場合は、経営幹部や特定のチームに限定して導入するなど、組織の規模や構造に応じた柔軟な対応が可能です。まずはご相談ください。

  • サービス開始までどれくらい時間がかかりますか?

    初回面談(無料)の後、ヒアリング内容に応じてご提案いたします。提案内容にご納得いただければ1~2週間で初回の全方位1on1を開始することができます。

  • 導入コストについて

    料金は社員数や必要な1on1の回数によって異なります。標準的なプランでは社員6名程度の場合で月額10万円(税別)からとなっています。小さな組織が出せる金額に限りがあることは知っています。可能な限り柔軟に対応します。アルバイトをひとり雇う代わりに、組織全体の学習を支えるチームを雇ってみませんか?

未来について

  • 小さな組織対話文化は、何につながると思いますか?

    組織に対話が根づきお互いが「聞く、聞かれる」の関係になれば、組織の中の関係性が変わります。その変化はそれぞれの日々の暮らしの中の関係にも影響を与えるはずです。寛容さが減ったといわれる現代、相手の言葉の背景を聞く姿勢、聞いてもらった経験が、再び社会に寛容さをもたらすと思います。政府統計によれば、全国に中小企業は380万社ほどあり全体の99.7%を占め、小企業は325万社で85.1%に登ります。社長と社員の距離が近い小さな組織だからこそ、小さな関わりからでも関係性を変えていける。組織の学習を促進し変容させられる。小さな会社のこの変化こそが、社会を変える起点になる。そう信じて、ご縁ある企業の皆さん一人ひとりと関わらせていただきます。

Contact お問い合わせ

サービスの詳細については
下記ボタンよりGoogleフォームから
ご連絡ください。

まずは無料相談から!